住宅ローンが残っている家は売れる?売却前に知っておきたいポイント

はじめに

家を売りたいと思ったとき、

「まだ住宅ローンが残っているけど、売っても大丈夫?」

と心配になる方も多いのではないでしょうか。

住宅ローンは20年、30年、35年など長期間にわたって返済することも多いため、

「住み替えたいけれどローンがまだ残っている」

「転勤で家を手放したい」

「家族構成が変わって、今の家が合わなくなった」

ということもあります。

結論からいうと、

住宅ローンが残っている家でも、売却することは可能です。

ただし、売却するときには住宅ローンの残高を確認し、原則として物件に設定されている抵当権を抹消できる状態にする必要があります。

そのため、

「ローンが残っている=売れない」

ではなく、

「売却代金などで住宅ローンを完済できるか」が大切なポイント

になります。

今回は、住宅ローン返済中の家を売却するときに、最初に知っておきたいポイントを分かりやすくご紹介します🏠💰


目次

① 住宅ローンが残っていても家は売却できる

まず一番気になるところですが、

住宅ローンが残っていること自体は、家を売却できない理由にはなりません。

実際、住宅ローンの返済途中で、

  • 住み替え
  • 転勤
  • 家族構成の変化
  • 離婚
  • 実家への転居
  • 家計の見直し

などをきっかけに家を売却するケースがあります。

ただし、住宅ローンを利用して購入した家には、一般的に金融機関の**「抵当権」**が設定されています。

住宅金融支援機構でも、返済途中の住宅を他人へ譲り渡す場合には、融資金の全額返済が必要になることが案内されています。

そのため、通常の売却では、

家を売却する
↓
住宅ローンを完済する
↓
抵当権を抹消する
↓
買主へ所有権を移転する

という流れを考えることになります。

②そもそも「抵当権」って何?

住宅ローンを考えるうえで避けて通れないのが、抵当権です。

言葉だけ聞くと難しそうですよね。

簡単にいうと、

住宅ローンの返済ができなくなった場合に備えて、金融機関が不動産を担保として設定する権利

です。

住宅ローンを完済すると抵当権を消すための手続きができるようになりますが、

ローンを払い終えたら登記簿から自動的に抵当権の記載が消えるわけではありません。

完済後には、抵当権抹消登記の手続きが必要になります。

通常の不動産売却では、買主へ抵当権のない状態で引き渡せるよう、住宅ローンの完済と抵当権抹消の手続きを進めます。

💡売却代金を使って完済することもできる

「ローンを全部返してからじゃないと、家を売り出せないの?」

と思うかもしれません。

必ずしも、売却活動を始める前に自己資金で住宅ローンを全額返済しておかなければならないわけではありません。

一般的な中古住宅の売買では、決済時に受け取る売却代金を住宅ローンの返済に充て、抵当権の抹消と買主への所有権移転を進める方法も取られています。

③まずは「住宅ローンがあといくら残っているか」を確認する

住宅ローンが残っている家を売りたいと思ったら、最初に確認したいのが、

住宅ローンの残高(残債)

です。

例えば、

住宅ローン残高:2,000万円

だったとします。

そして家が、

3,000万円程度で売却できそう

なのであれば、売却代金から住宅ローンを完済できる可能性があります。

一方、

住宅ローン残高:3,000万円

に対して、

売却価格:2,500万円

だった場合は、売却代金だけではローンを完済できません。

つまり、住宅ローンが残っている家の売却では、

「家がいくらで売れそうか」と「ローンがいくら残っているか」

この2つをセットで確認することがとても大切です。

まずは金融機関の返済予定表や残高証明書、インターネットバンキングなどで現在の残高を確認してみましょう。

④「売却価格>ローン残高」ならそれで安心?

例えば、

売却価格 3,000万円
住宅ローン残高 2,900万円

だった場合。

「100万円余るから大丈夫!」

と思ってしまいそうですが、ここで忘れてはいけないのが売却にかかる費用です。

不動産を売却するときには、状況に応じて、

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 登記関係の費用
  • 住宅ローンの完済に関係する費用
  • 引っ越し費用
  • 測量・解体・残置物処分などの費用

が必要になることがあります。

そのため、

売却価格 − 住宅ローン残高

だけを見るのでは不十分な場合があります。

確認したいのは、

売却価格 − 住宅ローン残高 − 売却に必要な費用

まで考えたときに、資金計画が成り立つかどうか。

特にローン残高と査定価格が近い場合は、売却前にしっかり確認しておきましょう。

⑤売却価格よりローン残高の方が多かったら?

ここが一番不安になるところですよね。

例えば、

住宅ローン残高 3,000万円
売却価格 2,500万円

だった場合。

売却代金だけでは、500万円足りません。

このように、家を売った金額だけでは住宅ローンを完済できない状態を、一般的に「オーバーローン」と呼ぶことがあります。

だからといって、

「もう絶対に売れない!」

とすぐに決まるわけではありません。

不足する金額を自己資金などで補い、住宅ローンを完済できれば、通常の売却を進められる場合があります。

そのため、

査定価格
+ 自己資金
− 住宅ローン残高
− 売却費用

などを整理して考える必要があります。

⚠️返済そのものが難しくなっている場合は別の対応も

住宅ローンの返済が難しくなり、自己資金を加えても完済できない場合には、通常の売却とは異なる対応が必要になることがあります。

その一つが任意売却です。

任意売却は、住宅ローンを借りている金融機関などの同意を得ながら不動産を売却する方法です。

通常の売却とは手続きや条件が異なるため、

「返済が難しいけれど、とりあえず売りに出してみよう」

と自己判断せず、早めに金融機関や専門家へ相談することが大切です。

⑥住み替えるなら「売る家」と「買う家」を一緒に考える

今の家を売って、新しい家へ引っ越す住み替えの場合は、さらに資金計画が重要になります。

例えば、

  • 今の家がいくらで売れる?
  • 住宅ローンはいくら残っている?
  • 売却後にいくら手元に残る?
  • 次の家はいくらまでなら購入できる?

というところまで一緒に考える必要があります。

ここで注意したいのが、

査定額をそのまま次の家の購入資金として考えないこと。

査定額は、あくまで売却価格の目安です。

実際の成約価格が変わることもありますし、売却費用や住宅ローンの返済もあります。

また、住み替えでは、

今の家を先に売る「売り先行」

と、

新しい家を先に買う「買い先行」

という考え方があります。

それぞれ、仮住まいが必要になる可能性や資金面などで違いがあります。

どちらが合っているかは、

  • 住宅ローン残高
  • 自己資金
  • 希望する売却時期
  • 新居探しの状況
  • 家族のスケジュール

などによって変わります。

住み替えを考えている場合は、売却と購入を別々に考えず、全体のスケジュールとお金を一緒に整理することが大切です。

⑦売却を考えたら「査定+ローン残高」で早めに整理する

住宅ローンが残っている家の売却で大切なのは、

売ると決めてから調べ始めるのではなく、検討段階から数字を確認しておくこと。

まずは、

  • 住宅ローン残高を確認する
  • 家の査定を受ける
  • 売却にかかりそうな費用を確認する
  • 手元に残る金額を計算する

という順番で整理してみましょう。

例えば査定を受けて、

「3,000万円前後での売却が考えられそう」

と分かり、

ローン残高が、

「2,000万円くらい」

だと分かれば、そこから売却費用なども含めて具体的な計画を立てやすくなります。

反対に、

「思ったより住宅ローンが残っていた」

という場合でも、早い段階なら今後の方法を検討する時間があります。

まず数字を知ることが、売却計画のスタートです。

住宅ローンが残っている家を売るときの基本的な流れ

「実際、どういう順番で進むの?」

という方のために、簡単に整理してみましょう。

STEP1 住宅ローン残高を確認

現在いくら残っているのかを確認します。

↓

STEP2 不動産査定

現在の家がどのくらいで売却できそうか確認します。

↓

STEP3 売却後の資金を計算

ローン残高や売却費用を考え、資金計画を立てます。

↓

STEP4 売却活動

価格や売却方法を決め、購入希望者を探します。

↓

STEP5 売買契約

購入希望者と条件がまとまったら契約を結びます。

↓

STEP6 金融機関へ完済手続きの確認

住宅ローンの完済や抵当権抹消に必要な手続きを確認します。

↓

STEP7 決済・引渡し

売却代金を受け取り、住宅ローンを完済。抵当権抹消・所有権移転などの手続きを行い、買主へ物件を引き渡します。

金融機関によって必要な手続きや日数が異なることもあるため、早めに確認しておくと安心です。

こんなご相談がありました

住み替えを考えていますが、住宅ローンがまだ2,000万円以上残っています。ローンを全部返してからじゃないと、今の家は売れないのでしょうか?

住宅ローンが残っている状態でも、売却活動を進めることはできます。

まず確認したいのは、

  • 現在の住宅ローン残高
  • 家がどのくらいで売れそうか
  • 売却にどのくらい費用がかかりそうか

です。

売却代金などで住宅ローンを完済し、抵当権を抹消できる見込みがあれば、売却を進められる可能性があります。

一方、売却価格より住宅ローン残高の方が多い場合には、自己資金で不足分を補えるかなど、別の検討が必要になります。

まずは、

「ローンが残っているから売れない」と諦めず、現在の数字を整理するところから

始めてみましょう🏠✨

住宅ローンが残っている家の売却チェックリスト

💰まず確認すること

□ 現在の住宅ローン残高を確認した
□ 借入先の金融機関を確認した
□ 不動産の査定を受けた
□ 売却にかかる費用を確認した
□ 売却後に手元に残る金額を計算した

🏠売却を進めるなら

□ 抵当権の内容を確認した
□ 住宅ローンの完済方法を確認した
□ 金融機関への手続き時期を確認した
□ 抵当権抹消に必要な手続きを確認した
□ 引渡しまでのスケジュールを確認した

🔑住み替えの場合

□ 次の家の購入予算を整理した
□ 売却代金をあてにしすぎていない
□ 売り先行・買い先行を検討した
□ 仮住まいが必要になる可能性を考えた
□ 引っ越し費用も資金計画に入れた

不動産サポーターからひとこと

「住宅ローンが残っているから、今の家は売れないですよね?」

というご相談をいただくことがあります。

ですが、住宅ローンが残っていることだけで、売却を諦める必要はありません。

大切なのは、

「いくらで売れそうか」

「ローンはいくら残っているか」
「売却にはいくらかかるか」

を一つずつ整理することです。

住み替えを検討している場合には、今の家の売却だけでなく、次の住宅購入まで含めた資金計画も大切になります。

まだ売却すると決めていない段階でも、まず現在の状況を整理するところから一緒に考えていきましょう🏠🌿

よくある質問

Q. 住宅ローンが残っていても家を売りに出せますか?

A. 売却を検討することは可能です。ただし、通常の売却では、買主への引渡しに合わせて住宅ローンを完済し、抵当権を抹消できる状態にする必要があります。

Q. 売却する前に住宅ローンを全額返さないといけませんか?

A. 必ずしも売却活動を始める前に自己資金で全額完済する必要はありません。一般的には、決済時に受け取る売却代金を住宅ローンの返済に充て、抵当権抹消などの手続きを進める方法があります。

Q. 家の査定額がローン残高より高ければ大丈夫ですか?

A. 査定額は実際の成約価格を保証するものではなく、売却には仲介手数料や登記関係費用などがかかる場合もあります。「査定額-ローン残高」だけではなく、売却費用まで含めて確認しましょう。

Q. 売却価格より住宅ローンの方が多い場合は売れませんか?

A. 不足分を自己資金などで補って住宅ローンを完済できれば、通常の売却を進められる場合があります。完済が難しい場合には通常とは異なる対応が必要になるため、金融機関や専門家へ早めに相談しましょう。

Q. 抵当権は住宅ローンを完済すれば自動で消えますか?

A. 登記簿上の抵当権は自動的に抹消されるわけではありません。完済後に抵当権抹消登記の手続きが必要です。

Q. 住み替えの場合、先に売るのと先に買うのはどちらがいいですか?

A. 住宅ローン残高や自己資金、希望するスケジュールなどによって異なります。売り先行・買い先行にはそれぞれ特徴があるため、ご自身の資金状況と合わせて検討しましょう。

まとめ

住宅ローンが残っている家でも、売却することは可能です。

大切なのは、

「ローンがあるか・ないか」ではなく、「売却時に住宅ローンを完済して抵当権を抹消できるか」

ということ。

売却を考え始めたら、

  • 住宅ローン残高を確認する
  • 家の査定を受ける
  • 売却にかかる費用を確認する
  • 売却後に残る金額を計算する
  • 抵当権抹消・完済手続きを確認する
  • 住み替えなら次の購入まで考える
  • 無理のないスケジュールを立てる

という順番で整理してみましょう。

そして、

「ローンがまだたくさん残っているから……」

と、最初から売却を諦める必要はありません。

まずは、

今の家がいくらくらいで売れそうなのか。

住宅ローンはいくら残っているのか。

この2つを知るところから始めると、今後の選択肢が見えやすくなります。

住み替えや家の売却は大きなお金が動くからこそ、一つずつ数字を確認しながら、無理のない計画を立てていきましょう!

お問い合わせ

住宅ローンが残っている家の売却や住み替えについて、「まず何を確認すればいいか分からない」という段階でも、お気軽にお問い合わせください。

不動産サポーターが、現在の住宅ローンや売却価格の見通しを整理しながら、今後の進め方を一緒に考えるお手伝いをいたします。

この記事を書いた人

不動産取引の「不透明なコスト」や「分かりにくさ」を解消し、お客様が納得感を持って一歩踏み出せるよう、専門的な視点から情報発信を行っています。
仲介手数料の仕組みから、物件の資産価値、賢い予算の組み方まで、業界の裏表を知るプロの目線で、皆さまの住まい探しを誠実かつスムーズにサポートいたします。