不動産の査定額=売れる価格じゃない?家を売る前に知っておきたい査定の見方

はじめに

家や土地の売却を考え始めたとき、まず気になるのが、

「この不動産、いくらで売れるんだろう?」

ということではないでしょうか。

そこで利用されるのが、不動産会社による**「査定」**です。

ところが、いざ査定を依頼してみると、

「会社によって査定額が違う……」

「一番高い金額を出してくれた会社にお願いすればいい?」

「査定額が3,000万円なら、3,000万円で売れるってこと?」

など、新しい疑問が出てくることがあります。

ここで知っておきたいのが、

査定額=実際に売れる価格ではない

ということ。

査定額は、売却を考えるうえでとても大切な数字ですが、その数字だけで不動産会社や売却価格を決めてしまわないことも大切です。

今回は、不動産売却で知っておきたい「査定」の基本から、査定額を見るときのポイントまで分かりやすくご紹介します🏠✨

目次

① そもそも「不動産査定」って何?

不動産査定とは、土地や建物について、

「現在の市場なら、どのくらいの価格で売却できそうか」

を不動産会社が調べ、価格の目安を算出することです。

査定では、単純に土地の広さや築年数だけを見るわけではありません。

例えば、

  • 周辺で実際に取引された不動産
  • 現在売り出されている物件
  • 土地の広さ・形状
  • 建物の築年数や状態
  • 接している道路
  • 日当たりや方角
  • 駅や生活施設までの距離
  • 周辺環境
  • エリアの需要
  • 法令上の条件

など、さまざまな要素を確認します。

そのため、

「隣の家が○○万円で売れたから、うちも同じくらい!」

とは限りません。

同じ地域にある不動産でも、一つひとつ条件が違うからです。

② 「机上査定」と「訪問査定」は何が違う?

不動産査定には、大きく分けて机上査定と訪問査定があります。

机上査定

机上査定は、

  • 所在地
  • 土地・建物の面積
  • 築年数
  • 間取り
  • 周辺の取引事例
  • 市場の状況

など、確認できる情報をもとに価格の目安を算出する方法です。

実際に現地を確認しないため、

「まず大体いくらくらいなのか知りたい」

という場合に利用しやすい査定です。

訪問査定

訪問査定では、不動産会社の担当者が実際に現地を確認します。

資料だけでは分かりにくい、

  • 建物の状態
  • リフォーム・修繕状況
  • 日当たり
  • 眺望
  • 周辺の雰囲気
  • 前面道路
  • 土地の高低差
  • 境界や越境の状況
  • 室内の状態

なども確認しながら査定します。

具体的に売却を考えている場合は、訪問査定によって、より物件の特徴を踏まえた価格を検討しやすくなります。

どっちを選べばいい?

まだ売るか決めていない
→ まず机上査定

具体的に売却を検討している
→ 訪問査定

という使い分けもできます。

③ 査定では「建物がきれいか」だけを見ているわけではない

「査定前に家をものすごくきれいにしないと!」

と思う方もいるかもしれません。

もちろん、建物の状態も査定材料の一つです。

しかし、不動産査定ではそれだけでなく、土地や周辺環境、法令上の条件なども含めて総合的に判断します。

例えば土地なら、

  • 道路との接し方
  • 土地の形
  • 間口
  • 高低差
  • 方角
  • 周辺環境

などもポイントになります。

中古住宅なら、

  • 築年数
  • 建物の状態
  • 間取り
  • 設備
  • 修繕履歴
  • 雨漏りなどの不具合

なども確認されます。

そのため、査定前に大規模なリフォームをしたからといって、かけた費用がそのまま査定額へ上乗せされるとは限りません。

「売るなら先にリフォームした方がいいかな?」

と考えている場合は、工事をする前に一度不動産会社へ相談するのもおすすめです。

④ なぜ不動産会社によって査定額が違うの?

複数の不動産会社へ査定を依頼すると、

A社:2,800万円
B社:3,000万円
C社:3,300万円

というように、金額に差が出ることがあります。

「同じ家なのに、なんで?」

と思いますよね。

査定では、周辺の取引事例など客観的な情報を参考にしながらも、

  • どの事例を重視するか
  • 現在の市場をどう見るか
  • その物件の特徴をどう評価するか

などによって、判断に違いが出ることがあります。

また、そのエリアでの売却経験や購入希望者の情報なども、不動産会社によって異なります。

だからこそ、

査定額の数字だけでなく「なぜその価格なのか」を聞くこと

が大切です。

⑤ 一番高い査定額の会社を選べばいい?

ここは、初めて売却する方に特に知っておいていただきたいポイントです。

例えば、

A社:3,000万円
B社:3,100万円
C社:3,500万円

という査定結果だったら、

「3,500万円のC社にお願いしたい!」

と思うのも自然ですよね。

でも、ここで確認したいのが、

「その3,500万円には、どんな根拠がありますか?」

ということ。

査定額は、その価格での売却を約束する数字ではありません。

高い査定額で売り出しても、購入希望者から見て相場より高ければ、なかなか問い合わせが入らない可能性があります。

その結果、

売れない
↓
価格を下げる
↓
売却期間が長くなる

というケースも考えられます。

だからといって、一番高い査定額が必ず悪いわけでもありません。

大切なのは、

「高い・安い」ではなく、「その価格に納得できる根拠があるか」

を見ることです。

⑥ 「査定額」「売出価格」「成約価格」は別のもの

不動産売却では、似ているようで違う3つの価格があります。

査定額

不動産会社が市場や物件の状態などをもとに算出した、売却価格の目安。

売出価格

実際に広告などへ掲載し、売主が「この価格で売りたい」と設定する価格。

成約価格

購入希望者との条件調整などを経て、最終的に売買契約が成立した価格。

つまり、

査定額3,000万円
=必ず3,000万円で売り出す

でも、

=必ず3,000万円で売れる

でもありません。

売主様の希望や売却時期、市場の状況などを考えながら売出価格を決め、購入希望者との条件調整を経て、最終的な成約価格が決まります。

この3つを分けて考えると、不動産査定がかなり分かりやすくなります💡

⑦ 査定額だけでなく「売却した後に残るお金」まで考える

売却するときは、

「いくらで売れる?」

だけに目が行きがちです。

でも、本当に確認したいのは、

「売却したあと、手元にいくら残るのか」

です。

不動産の売却では、状況に応じて、

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 登記関係の費用
  • 住宅ローンの残債
  • 測量や解体などの費用
  • 売却による利益が出た場合の税金

などが関係することがあります。

例えば3,000万円で売却できたとしても、3,000万円すべてがそのまま手元に残るわけではありません。

特に住み替えの場合は、

「売却後にいくら残るか」

によって、新しい家の資金計画も変わります。

査定を受けるときは、

「この価格で売れた場合、費用を含めてどのくらい手元に残りそうですか?」

まで相談してみると、その後の計画を立てやすくなります。

査定をお願いする前に準備しておくといいものは?

査定を相談するとき、すべての書類が揃っていなくても相談できる場合があります。

ただし、手元にあれば、

  • 登記関係の書類
  • 購入時の売買契約書
  • 土地・建物の図面
  • 測量図
  • 固定資産税関係の書類
  • リフォーム・修繕履歴
  • 住宅ローン残高が分かるもの

などを確認しておくと、話が進めやすくなります。

相続した実家の場合は、

「そもそも誰の名義になっている?」

というところから確認してみましょう。

分からないものがあっても、

「書類が全部揃ってから相談しよう」

と後回しにする必要はありません。

まず相談して、必要なものを確認していく方法もあります🌿

こんなご相談がありました

家を売ろうと思って3社に査定してもらったら、一番高い会社と低い会社で数百万円も違いました。一番高い会社にお願いした方がいいですよね?

査定額に差があると、どうしても一番高い金額に目が行きます。

ですが、まず確認したいのは、

「なぜその査定額になったのか?」

ということです。

例えば、

  • どんな成約事例を参考にしたのか
  • 周辺にはどんな競合物件があるのか
  • その価格でどのくらいの期間を想定しているのか
  • どのような販売方法を考えているのか

などを聞いてみましょう。

査定額は、あくまで売却価格を考えるための材料の一つ。

数字の大きさだけでなく、その数字の「理由」まで比較することが大切です。

不動産査定で確認したいチェックリスト

🏠査定を依頼する前

□ 不動産の名義を確認した
□ 土地・建物の基本情報を確認した
□ 住宅ローンの残高を確認した
□ リフォーム・修繕履歴を整理した
□ 売却希望時期を考えた

💰査定結果を見たら

□ 査定額だけを見ていない
□ 査定額の根拠を確認した
□ 参考にした成約事例を確認した
□ 現在の競合物件について聞いた
□ 想定する売却期間を確認した
□ 売却方法について説明を受けた

📊売出価格を決める前

□ 査定額と売出価格の違いを理解した
□ いつまでに売りたいかを伝えた
□ 値下げが必要になった場合も想定した
□ 売却にかかる費用を確認した
□ 売却後に手元に残る金額も確認した

不動産サポーターからひとこと

不動産査定では、どうしても「いくらだったか」という数字が一番気になると思います。

ですが、私たちが大切だと考えているのは、

「なぜその価格なのかを、きちんとご理解いただくこと」です。

大切な不動産だからこそ、

「高い査定額だったから」

だけで決めるのではなく、現在の市場や物件の特徴、売却方法なども含めて考えてみましょう。

まだ売却すると決めていない段階でも大丈夫です。

まずは現在の不動産の価値を知り、これからどうするかを考える材料にしていただければと思います🏠🌿

よくある質問

Q. 不動産査定は、査定額で必ず売れるという意味ですか?

A. いいえ。査定額は、周辺の取引事例や物件の状態、市場の状況などから算出する売却価格の目安です。実際の成約価格は、売出価格や購入希望者との条件調整などによって変わります。

Q. 査定をお願いしたら、その会社に売却を依頼しないといけませんか?

A. 査定を受けたからといって、必ずその会社へ売却を依頼しなければならないわけではありません。売却するかどうかを判断するために査定を利用することもできます。

Q. 査定前に家を掃除した方がいいですか?

A. 整理しておくと建物の状態を確認しやすくなりますが、査定のためだけに大掛かりな片付けやリフォームをする必要があるとは限りません。まず現状のまま相談してみるのも一つの方法です。

Q. リフォームしてから売った方が高く売れますか?

A. リフォームによって印象が良くなる場合はありますが、工事費用をそのまま売却価格へ上乗せできるとは限りません。物件の状態や購入者の需要によっても異なるため、工事前に不動産会社へ相談するとよいでしょう。

Q. 古い家でも査定してもらえますか?

A. もちろん可能です。建物が古い場合でも、土地としての価値や建物の状態、立地などを確認しながら売却方法を検討できます。

Q. 相続した実家でも査定できますか?

A. 査定自体は相談できます。実際に売却する際には相続登記などの手続きが必要になる場合がありますので、名義や相続状況もあわせて確認しておきましょう。

まとめ

不動産査定で一番覚えておきたいのは、

「査定額=必ず売れる価格ではない」

ということです。

査定を受けたら、

① 査定額はいくらか
だけではなく、

② なぜその価格なのか
③ どんな販売方法を考えているのか
④ どのくらいの期間を想定しているのか
⑤ 売却後にどのくらい手元に残りそうか

まで確認してみましょう。

そして、

査定額
→ 売出価格
→ 成約価格

は、それぞれ違うものです。

数字だけを見て焦って決めるのではなく、物件の特徴や市場の状況、ご自身の希望する売却時期などを整理しながら、納得できる売却方法を考えていくことが大切です。

「まだ売ると決めたわけではないけれど、今の価値だけ知っておきたい」

というところからでも、売却を考える第一歩になります🏠✨

お問い合わせ

不動産の査定や売却について、「まずは価格だけ知りたい」という段階でも、お気軽にお問い合わせください。

不動産サポーターが、物件の状況や周辺の市場を確認しながら、査定価格の考え方や今後の売却方法を分かりやすくご案内いたします。

この記事を書いた人

不動産取引の「不透明なコスト」や「分かりにくさ」を解消し、お客様が納得感を持って一歩踏み出せるよう、専門的な視点から情報発信を行っています。
仲介手数料の仕組みから、物件の資産価値、賢い予算の組み方まで、業界の裏表を知るプロの目線で、皆さまの住まい探しを誠実かつスムーズにサポートいたします。