はじめに
親が施設へ入居した。
実家を相続した。
家族と同居することになり、実家に誰も住まなくなった。
そんなきっかけで、ある日突然、
「実家が空き家になった」
という状況になることがあります。
でも、いざ自分がその立場になると、
「とりあえずそのままでも大丈夫?」
「電気や水道は止める?」
「荷物はどうすればいい?」
「売るか残すか、まだ決められない……」
と、何から手を付ければいいのか分からないものです。
実際、国土交通省も、相続や親の施設入居などをきっかけに空き家が発生し、その後の方針が決まらないまま放置されるケースについて注意を呼びかけています。
だからこそ大切なのは、
「すぐ売るか決めること」ではなく、「まず現在の状況を整理すること」。
今回は、実家が空き家になったときに最初に確認しておきたい7つのポイントをご紹介します🏠🌿
①まずは「家の今の状態」を確認する
最初にやっておきたいのが、建物と敷地の現状確認です。
長く住んでいた実家でも、住む人がいなくなると、それまで気付かなかった不具合が見つかることがあります。
例えば、
- 雨漏りの跡はないか
- 窓や玄関はきちんと施錠できるか
- 水漏れはないか
- カビや湿気はないか
- 外壁や屋根に気になる部分はないか
- 庭木や雑草が伸びていないか
- 塀やフェンスに傾きはないか
- 害虫・害獣の形跡はないか
などを確認してみましょう。
特にしばらく誰も行っていなかった家なら、室内だけでなく建物の外側まで一周して見るのがおすすめです。
気になる場所はスマートフォンで写真を残しておくと、その後の変化も比較しやすくなります📱
②空き家でも「定期的な管理」は必要
誰も住んでいないなら、
「使わないんだから、そのままでいいよね?」
と思ってしまいがち。
でも実際は逆で、人が住まなくなった住宅は不具合が発見されにくく、傷みが進みやすくなる傾向があります。
国土交通省も、空き家を所有し続ける場合には、建物の内外の点検に加えて、換気・通水・清掃などを定期的に行うことが重要と案内しています。
例えば、
🪟換気する
窓を開けて空気を入れ替える。
🚰通水する
水道を使用できる状態なら、定期的に水を流す。
🧹室内を確認する
雨漏り・カビ・害虫などが発生していないかを見る。
🌳外まわりを確認する
雑草・庭木・郵便物・建物の破損などを見る。
といった管理があります。
遠方に住んでいて定期的に通うのが難しい場合には、家族で分担したり、空き家管理サービスなどを利用したりする方法もあります。「誰も住まない=管理しなくていい」ではない
ということを覚えておきましょう🏠
③電気・水道・郵便物などを整理する
実家が空き家になると、
「電気も水道も全部解約しちゃえばいい?」
と考える方もいると思います。
ただ、今後の管理方法によっては、すぐにすべてを止めない方が便利な場合もあります。
例えば水道は、定期的な通水や掃除に使うことがあります。
電気も、室内の確認や掃除などで必要になる場合があります。
一方、使用していない契約をそのままにすれば固定費がかかります。
そのため、
「これから、この家をどう管理する予定なのか」
を考えたうえで整理するのがおすすめです。
また忘れやすいのが、
- 郵便物
- 新聞
- 定期配送
- インターネット
- 固定電話
- セキュリティサービス
など。
郵便受けに郵便物が大量にたまると、長期間留守であることが外から分かりやすくなってしまうため、こちらも早めに整理しておきましょう📮
④ 相続した実家なら「名義」を確認する
④相続した実家なら「名義」を確認する
親が亡くなって実家を相続した場合、特に確認しておきたいのが不動産の登記名義です。
現在は相続登記が義務化されています。
2024年4月1日から、不動産を相続によって取得したことを知った場合、原則としてその取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
正当な理由なく義務を履行しなかった場合には、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
さらに重要なのが、
義務化より前に発生した相続も対象になること。
2024年4月1日より前の相続で、まだ相続登記が済んでいない不動産についても対象となり、原則として2027年3月31日までの対応が必要になります。
「昔から実家の名義をそのままにしている」
という場合は、特に確認しておきたいポイントです。
相続関係が複雑な場合などは、司法書士などの専門家へ相談することも検討しましょう。
⑤家財道具は「とりあえず全部捨てる」のを待って!
空き家になった実家には、
家具・家電・洋服・食器・写真・書類……
とにかく大量の物が残っていることがあります😇
「片付けなきゃ!」
と思うと、全部まとめて処分したくなるかもしれません。
でも、少し待ってください💡
特に相続が関係する場合には、
- 通帳
- 保険関係の書類
- 不動産関係書類
- 契約書
- 権利関係の書類
- 貴金属
- 思い出の品
など、大切なものが混ざっている可能性があります。
まずは、
「残す」「確認する」「処分する」
に大きく分けるくらいでOK。
家族が複数いる場合は、勝手に処分せず、誰が何を引き取るのか話し合っておくことも大切です。
一気に全部終わらせようとすると大変なので、少しずつ整理していきましょう📦
⑥「売る・貸す・残す」の選択肢を整理する
建物の状況や権利関係が分かってきたら、次に考えたいのが、
「この家をこれからどうする?」
ということ。
大きく考えると、
残す
将来自分や家族が住む可能性がある場合など。
ただし、その間の管理や固定資産税、修繕費などは考えておく必要があります。
貸す
賃貸住宅として活用する方法。
ただし、建物の状態や立地によっては、修繕・リフォームが必要になることもあります。
売る
今後使用する予定がない場合は、売却することも選択肢です。
建物を残したまま売却する方法だけでなく、物件の状態などによってさまざまな方法が考えられます。
解体する
老朽化が進んでいる場合などには、建物を解体して土地として活用・売却する方法もあります。
どれが正解というものではありません。
大切なのは、
家族の意向・建物の状態・立地・費用・将来の利用予定
を合わせて考えることです。
⑦まだ決められなくても「放置」だけは避ける
これ、今回の記事で一番伝えたいところかもしれません💡
実家には思い出があります。
だから、
「売るなんてまだ考えられない」
という気持ちになることもありますよね。
もちろん、すぐに結論を出す必要はありません。
でも、
「決められない」と「何もしない」は別です。
国土交通省も、空き家を放置すると老朽化が進むだけでなく、庭木のはみ出し、害虫・害獣、不審者の侵入など、近隣への影響につながる可能性があると案内しています。
さらに、放置する期間が長くなれば、傷みが進み、将来売ったり貸したりするときの選択肢が狭くなる可能性もあります。
売るかどうかは、あとで決めても大丈夫。
その間は、
- 管理する
- 家族で話す
- 家の状態を知る
- 専門家へ相談する
など、できることから始めておきましょう🌿
「まだ売ると決めていない」段階でも相談してOK
不動産会社への相談というと、
「売却すると決めた人が行くところ」
というイメージがあるかもしれません。
でも実際には、
「実家が空き家になったけど、どうしたらいい?」
という段階から相談することもできます。
例えば、
- この家は売却できそう?
- そのまま売れる?
- 修繕してから売った方がいい?
- 建物を解体した方がいい?
- 土地としてどのくらい需要がありそう?
- 貸すという選択肢はある?
など。
選択肢を知ったからといって、すぐに売却しなければならないわけではありません。
「決めるための材料を集める」
くらいの気持ちで相談してみるのも一つの方法です🏠✨
こんな相談がありました
親が住んでいた実家が空き家になりました。まだ売るかどうか決められないのですが、このままでも大丈夫でしょうか?
すぐに売却するかどうかを決める必要はありません。
まずは、
- 建物の状態を確認する
- 定期的に管理する
- 電気・水道などを整理する
- 登記名義を確認する
- 家財を整理する
といったところから始めてみましょう。
そのうえで、
「家族が使う予定はある?」
「維持管理を続けられる?」
「売った場合はどうなる?」
と選択肢を一つずつ整理していくと、今後の方向性を考えやすくなります。
「まだ何も決めていないから相談できない」ではありません。
何を選べるのか知るところから始めてみましょう🏠🌿
実家が空き家になったときのチェックリスト
🏠建物・敷地
□ 建物の内外を確認した
□ 雨漏り・水漏れなどを確認した
□ 窓・玄関の施錠を確認した
□ 庭木・雑草を確認した
□ 塀・フェンスなどを確認した
🧹管理
□ 定期的に換気できるようにした
□ 必要に応じて通水している
□ 郵便物がたまらないようにした
□ 誰が定期的に確認するか決めた
□ 遠方の場合は管理方法を検討した
📄手続き・家財
□ 不動産の名義を確認した
□ 相続登記の状況を確認した
□ 電気・水道などの契約を確認した
□ 大切な書類を分けた
□ 家財を勝手に処分していない
🌿これから
□ 家族で今後について話した
□ 残す・貸す・売るなどの選択肢を確認した
□ 維持管理にかかる費用を把握した
□ 必要に応じて専門家へ相談した
不動産サポーターからひとこと
実家が空き家になったからといって、すぐに「売る・残す」を決める必要はありません。
特に長年家族が暮らしてきた家なら、気持ちの整理に時間が必要なこともあります。
だからこそ、まずは家の状態や名義、維持管理に必要なことを整理するところから始めてみましょう。
そして、
「何をしたらいいのか分からない」
「売るかどうかも決めていない」
という段階でも大丈夫です。
選択肢を一つずつ整理しながら、ご家族にとって納得できる方法を考えていきましょう🏠🌿
よくある質問
Q. 実家が空き家になったら、すぐ売らないといけませんか?
A. すぐに売却する必要はありません。ただし、所有し続ける場合には建物や敷地を適切に管理する必要があります。将来どうするか決まっていない場合も、まず現状確認と管理から始めましょう。
Q. 空き家の水道は止めても大丈夫ですか?
A. 今後の管理方法によって異なります。定期的な通水や清掃などで水を使う場合もあるため、単純に「空き家になったらすべて止める」と考えず、管理方法を決めてから検討しましょう。
Q. 親名義のままでも売却できますか?
A. 相続した不動産を売却する場合には、基本的に相続登記によって現在の所有者を明確にする手続きが必要になります。相続関係によって必要な手続きが異なる場合があるため、早めに確認しておきましょう。現在は相続登記も義務化されています。
Q. 空き家が遠方にあって管理できません。
A. 家族で分担するほか、空き家管理サービスなどへ依頼する方法もあります。国土交通省も、自身で管理することが難しい場合には専門業者などへの依頼を検討するよう案内しています。
Q. 売るか残すか決めていなくても、不動産会社に相談できますか?
A. もちろん可能です。売却した場合の見通しなどを知ることで、「残す・貸す・売る」といった選択肢を比較しやすくなります。
まとめ
実家が空き家になったとき、
「とりあえず今度考えよう」
となってしまうことは珍しくありません。
でも、誰も住んでいない家だからこそ、早めに確認しておきたいことがあります。
今回の7つは、
- 家の状態を確認する
- 定期的に管理する
- 電気・水道・郵便などを整理する
- 登記名義を確認する
- 家財道具を整理する
- 売る・貸す・残すを考える
- 決められなくても放置しない
です。
そして一番大切なのは、
「今すぐ結論を出すこと」ではなく「何もしない状態を長く続けないこと」。
家の状態を確認する。
家族と話してみる。
必要な手続きを確認する。
選択肢を調べてみる。
まずは、できることを一つずつ始めてみましょう。
大切な実家だからこそ、焦って決めるのではなく、これからどうしていくのが家族にとって一番良いのかを考えていきたいですね🏠🌿
お問い合わせ
実家や空き家について、「何から始めればいいか分からない」という段階でも、お気軽にお問い合わせください。
不動産サポーターが、売却・買取・活用などの選択肢を一緒に整理しながら、ご家族に合った方法を考えるお手伝いをいたします。
